白山神社の甘酒まつり

今年も、地域内各地で五穀豊穣を祝う「甘酒まつり」が行われます。
この「甘酒まつり」、明宝地域では、大谷・小川・二間手の3集落の白山神社で毎年行われています。
今年の新米で甘酒を作って神様に捧げ、収穫に感謝します。


このなかでも、11月26日(日)に行われる二間手地区では、
毎年 禰宜(ねぎ)の家で、集落中から集めた新米を炊きあげ、麹をまぜ、木樽に仕込んで、丹精込めてつくられています。

甘酒をどえらいことつくったな

村史には、甘酒の作り方についてこう記されています。
「白米一斗をカイに炊き、水で冷やして適当な温度になたったら麹を入れる。
 定めの道具として、手桶2、柄杓1、混ぜ棒1がある。
 この手桶に仕込んだ甘酒は、禰宜の家の奥のデイの真ん中に、
 少し吹きこぼれてもえいように敷物を敷いて置く。
 (中略)
 お宮へは、担い鉤で担って運び、神様に供える。
 年間神様のお世話をする3、4軒の家へは、黒い鉢で届ける。
 その後、一般の参詣者にのんでいただく。」
(明宝村史 通史編下巻より)

この風習が今もなお続いているというから、驚きです。
明宝といえば、明宝ハムをはじめとした株式会社の設立や、
近年では、中間支援組織ななしんぼや、冒険キッズの設立など、
新しいものを積極的に取り入れ続けている地域という印象でしたが、
古くからの伝統も同じように大事にしている土地でもあるんですね。


白山神社にて、神事で甘酒を神様にお供えしたのち、


大釜で煮立てた甘酒を氏子もいただきます。


災難を払うといわれる、おこわい(赤飯)、


そして切り漬けや赤だつ酢漬けなどの、持ち寄られた漬物も振る舞われます。

からだの芯まであたたまるその甘みとともに、
明宝の伝統を体感しに訪れてみてはいかがでしょうか。
同日には、古民家源右衛門にて「源右衛門のおときのごはん」も開催されます。
こちらも甘酒祭りと同様、明宝の歴史文化を感じることのできるまたとない行事です。


この頃には紅葉のピークは過ぎてしまっていますが、
紅葉が散っていく様子も、秋が深まり冬へと移り変わっていく山里の空気感を味わうことのできる
情緒ある景色ですよ。